○のツブツブ

アクセスカウンタ

zoom RSS 春山の恐怖(最終回)

<<   作成日時 : 2012/05/14 22:44   >>

トラックバック 0 / コメント 18

 いよいよ最終回

画像


 北穂高岳山頂(標高3,106m)はみぞれが吹き付ける厳しい条件だった。
 でも少し待てば、もしかしたら槍ヶ岳が見えるかもしれないという淡い期待も。
 ならば山頂直下にある北穂高小屋で風を避けて待ってみようかということで、小屋に降りてみる。小屋までの階段は積雪5m程を掘り出して、切ってある。


 
画像


 北穂高小屋の前には多くの登山者が休憩している。小屋の裏にはまだ相当量の雪が積もっている。10m以上あるんじゃないだろうか。

画像


 北穂高小屋名物?なんだろうか、小屋の人が表に出てきて
 「ラーメンお待ちの人?」と叫ぶと、
 「はーい」と山ガール風の3人が一緒に応えて、どっと笑いが起きる。
 続けて、
 「カレーお待ちの人?」と続けてカレーが出てくると、
 「お、俺たちだ」って、60台のおじさん。誰も笑わない。パスタもあるよ。
 ラーメン800円、パスタ900円だって。スキー場とどっちが高いんだろう?
 うちらは、横尾でお湯を入れたアルファ米の五目御飯。
 それも昨年、賞味期限を過ぎた非常用保存食の残り。既に冷たいヨ。(T_T)
 収入の差かな?悔しいな。若いお姉ちゃんは熱々ラーメン。この差は何だ!

画像


 小屋の向こうを見に行ってみる。滝谷からの突風が吹きつけて、数秒も立っていられない。こんな所によくも小屋を建てたものだと感心しきり。
 小用をしたかったが、アイゼンを外さないとトイレが利用できないので、ここではじっと我慢する。

画像


 20分ぐらい小屋の前でじっとしていたが、天気が回復する気配は一向になく、靴の中に水が入ってきたようで足先が冷たくなってきた。凍傷は避けたい。悔しいけどもう降りよう!
 もう一度、山頂で写真を撮っておくか。変わり映えしないけど。

画像


 槍ヶ岳をバックにデーンと! と言いたいところなんだが、やっぱり何も見えない。

画像



 下山開始。○は小用タイム。岩陰に隠れて済まそうとしたらなんと滝谷側だった。そう、強風で△■がこちらに向かって逆流してくる。やばい、ストップ!女性は急に止まれないが、男性はなんとか止めることが出来るんだ。(^^)v
 教祖様はとっとと先を急いでおり、既に姿は見えない。
 すっきりはしたが、すごい急な下り。早く、教祖様に追いつかなくては。


 お待たせしました、春山の恐怖(5)です。  やっと出番です。
 が、ちょっと待った。ここで紹介すると終わりそうだから巻末で改めて報告することにして、ここはその部分を省略してその先をまずは書きます。


 涸沢カールまで降りてきた。山頂から約1時間半で降りてきた。やっぱり下りは早い。
 テントが少し増えたかな?天気が良くなる傾向だからかな。

画像


 涸沢ヒュッテのテラスに到着。多くの人がビール&おでんを楽しんでいる。テラスに行くにはアイゼンを外さねばならない。ま、そのくらいはしょうがないか、とアイゼンを外す。
 その時を待っていたかのように、大粒の雨が降りだした。テラスにいた人たちは蜘蛛の子を散らすように部屋に戻っていく。あらぁ、いいなぁ。
 こちらは、水がなくなったので水道で補給して、トイレに行って雨具を着込んで雨対策。

画像


 ○ :「生ビール+おでんを買ってきましょうか?」
 教祖:「だめだ、下山道はまだ危険だ。今は飲まないし飲ませない」
 ○ :「へ?」(ありえない返事に仰天)
    ちなみに、教祖様とは20年ぐらい一緒に山に登っているが、
    一度として「飲まない」という言葉は聞いたことがない。

    それほど、○の滑落に責任を感じたんだろうか?すみません・・  

 では、寂しい鯉のぼりを後に横尾まで降りることにしましょう。

画像


 涸沢カールから降りる時も、登ってくる人はひっきりなしである。蟻の行列のように団体で登ってくる。さすがに人気の山だなぁ。

画像


 涸沢ヒュッテから2時間半で横尾に到着。今日は疲れたのでこれ以上歩いて上高地まで行く気がしないので延泊決定。

 横尾で初めて(いや、今回の登山でも初めて)の『ビール』がこれ?情けないなぁ、
 またもや雨が降ってきたので、仕方なくテント内でひっそりと「乾杯!」
 このビール、350mlで500円もする。宿泊代と同額だってさ?ぼったくりやん!
 「あのう、○のコップにはこれ一本だと楽に入っちゃうんですけど〜」バキッ!!☆/(x_x)

画像


 今回の目的「涸沢で生ビール+おでん」がないなんて信じられなーい。(笑)
 2リットルしか持ち上げなかった焼酎だが、昨晩規制をかけて寝たのでまだ相当量残っていた。
 今夜はもう空っぽにするだけだから、もう思いっきり飲むぞう。(^^)v

 
               ◇

 翌日は現実に引き戻される。高速道路が渋滞するから午前中に松本ICに入りたい。そっから逆算すると5時にキャンプ場を出発する。ちょっと予定は遅れたがずぶ濡れのテントをそのままパッキングして、靴擦れの足にバンドエイドを貼って重いザックを背負いザックザックと帰路を急ぐ。

 徳沢園には沢山のテントが張ってあった。
 上高地からタクシーで相乗りした夫婦は、徳沢園から蝶ヶ岳に登って、横尾に降りて徳沢園の宿に泊まったのだという。なかなか良いプランですね。

画像


 明神でも一本立てて、8時半に河童橋に戻ってきた。今日は多くの観光客で賑わっている。穂高連峰は来たときと同じように山頂付近には厚い雲がかかっていた。

画像


 ○は北穂の下りで眼鏡をふっ飛ばしたので眼鏡をかけていない。物が見えず、世界が暗くなっている。自分の車でなかったので良かった。教祖様、車は任せましたぞ。バックは焼岳。

画像


 さわんど温泉で4日ぶりに温泉に入って汗を流す。あ〜スッキリ!


               ◇


 さて、お待たせしました。最後にドッキリの報告!
 **********【春山の恐怖(激恐)】 滑落******

 下の写真の1時間ほど前が恐怖の時間だった。滑落の瞬間写真なんか撮る暇はもちろんなく、その後もボーっとしながら何度も転びながら、やっとの思いで降りてきたんだ。

 時間を戻す。11時15分頃、現場は山頂直下(標高3,000mくらい)の急な下り。
 登るときは単なる急登だと思った、降りる時は更に急な下りだった。
 ○は小用で遅れたので教祖様に追いつこうと、早いペースで急な雪面をアイゼンを着けてドカドカと調子よく降り始めた。
 その時に予期せぬ出来事が起きたのである。
 アイゼンのかかとの部分にある爪を蹴りこんだ(踏んづけた)つもりだったが、弱かったらしい。
 つるっと滑ってしまった。(つるっとつるつる『つるなうどん』発売記念だジョー)
 スーパースローで再生したくなるかも・・

画像



 まず、お尻を着く。雪面だからお尻が滑り始める。
 おしりを着いたまま、もう一度アイゼンを蹴りこむ。今度はアイゼンはしっかり効いた。
 が、滑る勢いがついていたので、スピードは止まらず、前転して背中で着地し。更に滑りスピードは加速する、体が縦横にぐるぐる回る。

 ○  :「すみませーん、すみませーん」と叫びながら滑落中
 教祖 :「止めろ、止まるんだ」
 下山者:「ラーク」 ・・○:そっか、人間でも”ラーク”と言うのか、変に納得

 滑り落ちながら、○は何故か冷静に判断して行動していた。
 とにかく「うつぶせ」になってピッケルを雪面に食い込ませて制動するんだ。
 ずぶずぶとピッケルは埋まるが制動が効かない。
 何度もやって、力いっぱい雪面にピッケルを突き刺すとなんとか滑落停止が出来た。

 上を見上げて、下山者たちに
 ○:「どうもすみませんでした」
 下山者:「オレのピッケルにあんあたのピッケルがぶつかったぜ。カーンと音がしたろ」
 下山者:「あ、立ち上がった。生きているからレスキューいらないよ」
 下山者:「もっと早めに声を出してくれない?避けられないんだから」
 ○:「あ、メガネがすっ飛んだ。無い!」
 下山者:「あんた100mぐらい落ちてきたよ」
 ○:ぞっ

 ○が立ち上がった直後に、すぐ隣を滑落者が落ちていく。
 その後も、次々と滑落者が滑っていく。超危険地帯だ。少なくとも5人はいた。
 ○のすぐ横を滑落者がすごいスピードで滑落していく。スゲー。唖然!
 一番すごい人は500mぐらいすっ飛んで落ちていった。
 その人は、大きな岩のわずか2mぐらいのところを落ちていった。岩にぶつかっていたら間違いなく死んでいたな。コワー。

 ガイド:「落ちた人のトレースに入るな、また上から落ちてくるぞ」
 ガイド:「あんなになりたくなければ、後ろ向きに下りろ」

 教祖:「春山だからスピード遅いよ。冬山ならもっとスピード出るぞ」
 ○ :「いやぁ、結構滑りましたヨ」
 教祖:「冬山だとアイゼンが刺さらないから絶対に止まらないよ」
 ○ :「はい、申し訳ありません」
 
 この後、眼鏡なしで雪面は見えないし、何度も何度もすっ転びながら、
 慎重に涸沢カールに降りた。
 恐かったよ〜。前述したように教祖様のスパッツ破いてしまった。
 教訓として生かさねば。メガネぐらいはなんとでもなるしね。
 新聞沙汰にならなくてよかったし、もっと慎重に降るべきだったと深く反省しています。

 涸沢から見上げた北穂の雪渓。○が滑落した最上部あたりは雨雲がかかっていた。

画像


*********** 回想終わり。皆さん、ご迷惑をおかけしました。

蝶ヶ岳山行地図

画像



北穂高岳山行地図・・・積雪期は沢を直登します。

画像



  本シリーズはこれにて終了です。自分の恥だけど自戒の意味を込めて記録に残しておきます。
  怖かったのは自分だけ?
  翌日、眼鏡を買いに行きます。高っ?







テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

コメント(18件)

内 容 ニックネーム/日時

こ、怖い〜。○さん、ご無事で何より!何よりです。
貴重な体験、肝に銘じておきます・・・。
つるなうどんのPRもしてしまうとは、お見事です(笑)
たまねこ
2012/05/15 00:18
100m滑落、すごいです。
御無事でなによりです。
横尾テントだから下りたのですね。
山小屋で停滞したら、朝の展望が見れたかも。
nn0027
2012/05/15 06:28
読んでいてドキドキでした。無事でなによりです。(^_^)v
そういう反省が大事なんですよね。
miya
2012/05/15 08:23
教祖様とは誰かなと思っていたのですが、ペイ様でしたか・・・
それにしてもメガネだけですんで良かった!!
(○様にとってのメガネなしは辛かったと思いますが・・・)
教祖様は若い頃、山で苦労されているので、今回も・・・だったら
大変でした!
お帰りなさ〜い♪
choiwaru
2012/05/15 14:39
〜☆ 〇さんへ ☆〜
〇さんいやぁ〜命拾いしましたね。
読んでいてリアルですので、〇さんの置かれた状態
良く分かります。メガネがなく大変でしたね。
一生忘れられない冬山体験でしょうね。
異邦人
2012/05/15 14:54
ご無事で何よりです。
100mの滑落はビビリますね。
一歩間違ったらあっちの世界でしょ!
おいしいビールが飲めてよかった。
ポン山
2012/05/15 17:21
ご無事でなによりです、
>次々と滑落者が滑っていく
怖いですね!急斜面の下りは怖いです。

横尾から北穂往復もすごいですね、
涸沢は行った事ないので、いつか行ってみたいです。
ヒロ雪
2012/05/15 21:01
>たまねこさん
 たまねこさんも対岸の火事じゃなくなるかも・・・。
 たまねこさんは慎重だから大丈夫です!

 「つるっとつるつる つる菜うどん」食べてみたいです。

2012/05/15 22:25
>nn0027さん
 nn0027さんの富士山の方がよっぽど怖いです。富士山だと、滑落したら確実に1,000mぐらいは落ちますね。
 ○はぐちゃぐちゃ雪で助かりました。
 テントまで戻るの、すっごく落ち込みでした。
 

2012/05/15 22:27
>Miyaさん
 山未体験の人でもなんとなく感じは解っていただけましたか?
 次回からは、こういったドジはしません。はい!

2012/05/15 22:28
>Choiwaruさん
 はい、てげてげ教祖さまです。
 俯せになった時に、顔面が雪面に擦れていましたので、眼鏡は吹っ飛んでしまいました。安いメガネを買いに行かねばなりません。

2012/05/15 22:30
>異邦人さん
 自分では、不思議と「死ぬかもしれない」とは感じませんでした。
 「あ、止めなきゃ」という意識ばっかりでした。
 春山は怖いです。冬山はもっと怖いんでしょうけど・・
 隣の涸沢岳で1人亡くなったとのニュースを聞いていて、他人ごとではないと思いました。(^^ゞ

2012/05/15 22:32
>ポン山さん
 自分では100m落ちたのかどうかは全然わかりませんでした。
 「絶対に止めなきゃ」って必死でした。岩にぶつからなくてラッキーでした。ビールは苦かったです。涸沢で飲んでも苦かったかも・・

2012/05/15 22:34
>ヒロ雪さん
 ○の両隣で滑落者が滑っていくんです。へぇ、みんなよく滑るなぁ、、なんてぼーっと見ていました。尻セードする人もいませんでした。

 スキー担いで登っている人多いですよ。涸沢カールで何本も滑っている人がいます。ヒロ雪さんも是非、涸沢スキーを楽しんでください。
 朝日が穂高連峰にあたって輝く姿も最高です。

2012/05/15 22:36
○さん、こんばんは。

お疲れさまでしたー(笑)。
5月といっても雪山は危険と隣り合わせですから、
何よりご無事でよかったです。
それにしても何人もが滑落していく場面って、
とってもシュールですよね。
momomo
2012/05/16 02:05
生ビール+おでん、残念でした。
でも、命あればまた飲んで食べれます^^
やっさん
2012/05/16 08:21
>momomoさん
 ほんと、春山は気が抜けないです。
 防寒対策はバッチリだったんですけどね。まさか、すっ転ぶなんて、想定外でした。(^^ゞ
 どんどん滑落していくので、○も単なる例外じゃないって少し安心しました。

2012/05/16 21:05
>やっさん
 涸沢に行った目的がいつの間にかどっかに行っちゃいました。(T_T)
 次回に持ち越しです。はい!
 福島応援キャンプでは飲みましょうね!

2012/05/16 21:06

コメントする help

ニックネーム
本 文
春山の恐怖(最終回) ○のツブツブ/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる